合縁奇縁~それでも愛は勝つ
雄太を学校へ送り出し、雄輝を保育園へ連れて行った。
すっぴんの、普段着で。
洗い立ての癖毛が、フワフワと風になびく。
自転車を漕ぐのも、スニーカーだとこんなに楽しいなんて!
「ママ、はやぁ~い!!」
前籠ではしゃぐ雄輝の声も、あたしと一緒で楽しげだ。
「お早うございます!」
園舎に響くあたしの声を、園長先生がにこやかに迎えてくださった。
「天野さん、なんか吹っ切れたみたい。
別人のようね、とっても素敵よ!」
「へへ……
そうですか?」
あたしは、髪をかき上げながら照れ笑い。
だって、何だか恥ずかしい。