合縁奇縁~それでも愛は勝つ



「う~ん、もう少し寝かせて……」



何か、生暖かいものが、あたしの顔を這っていった。


「うわっ!」


身の危険を察して、飛び起きた。

目の前には、白い、フワフワのスピッツ。


「良かった、生きてた」


その向こうから、弾ける笑顔が覗いていた。


「いやぁ~、こんなとこで倒れてるし、動かないから死んでるのかと思って。

ユメも心配して……

なぁ、ユメ!」


彼の呼びかけに、「ワン!」と答えたのは、その真っ白いスピッツで。


あたしの顔を舐めていたのは、その犬だったのだ。
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