合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「う~ん、差し詰め、プリン・ア・ラ・モードってとこかな?」
「な、なんで?」
あたしの問いは、「何で分かるの?」と「何でそんなことをするの?」の入り混じった動揺だったのだけれど……
「僕も好きなんで、カラメルの匂いは直ぐ分かります」
彼は、すかさずそう答えた。
「一人で大人気ない、って思ってるんでしょ?」
あたしは一気に火照る顔を、必死に誤魔化そうと、少し眉間に皺を寄せ突っかかるような仕草で問い返した。
「そんなことありませんよ。
人間、好きなものは好き。
僕もそうですから。
雄輝ちゃん、お待ちかねですよ、早く行ってあげてください」
そう言って、ポン、と肩を叩かれた。