合縁奇縁~それでも愛は勝つ


となれば、早く行動を起こさないと雄太の言う通り、時間がない。


「雄太のくせに気が利くじゃん。

じゃ、お言葉に甘えて買い物行ってくる。

今夜はハンバーグだぞぉ~」


「バカっじゃないの?

ハンバーグごときで喜ぶのは雄輝くらいのもんだよ。

あ、でも、俺のは特大で」


閉まったドアの前で、あたしは小さな幸せに小躍りしていた。

今までの全てが、無駄ではなかった、という安心感。

あたしの守るべきものはここにあるという確信。


「坂本さんもいるとなると、お肉、五百グラムはいるかなぁ~」


あたしはスーパーの買出しへと、自転車を漕ぎ出した。
< 182 / 231 >

この作品をシェア

pagetop