合縁奇縁~それでも愛は勝つ
となれば、早く行動を起こさないと雄太の言う通り、時間がない。
「雄太のくせに気が利くじゃん。
じゃ、お言葉に甘えて買い物行ってくる。
今夜はハンバーグだぞぉ~」
「バカっじゃないの?
ハンバーグごときで喜ぶのは雄輝くらいのもんだよ。
あ、でも、俺のは特大で」
閉まったドアの前で、あたしは小さな幸せに小躍りしていた。
今までの全てが、無駄ではなかった、という安心感。
あたしの守るべきものはここにあるという確信。
「坂本さんもいるとなると、お肉、五百グラムはいるかなぁ~」
あたしはスーパーの買出しへと、自転車を漕ぎ出した。