合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「で、リフレッシュと称して一週間の有給とったって訳だ」
食後のコーヒーを飲みながら、狭い食卓に向き合い、あたしたちは大人だけの月一の報告会を開いていた。
雄輝は雄太と一緒に隣の居間でテレビを観ている。
一月分の太一の写真集の印税の精算と、とりとめも無い日常の報告。
誰かが、あたし達家族のことを気に掛けてくれている。
毎月繰り返されてきたこの会に、少なからず救われていたのは確かだった。
「この一週間で、気持ちを切り替えようって思ってます。
なんかこうわだかまっていた、モヤモヤを振り払えたらなって」
努先生に恋する気持ちは消えないけれど、それを無理やり閉じ込めることは止めようって思ったから。
「まぁ、いいんじゃないかな。
正直、美樹さんは頑張り過ぎだと思うよ。
まだ若いんだし、自分のことを考える余裕だって、あっていい筈だ。
そうだな……
先ずは今日の特大ハンバーグのお礼に、明日ランチでも一緒にどう?」