合縁奇縁~それでも愛は勝つ
連れられて入ったバスルームは、とても広くて清潔だった。
「着てる服脱いだら、この籠に入れて外に出して下さい。
スピードモードで洗濯乾燥すれば、一時間で乾きますから」
ここまで来たら仕方ない、と観念して服を脱ぐ。
そっと入口から籠を出すと、「ブラとパンツがありませんよ」と突き返された。
「いくらなんでも……」
「上着の代えは貸せても、ブラとパンツは僕持ってないんで。
恥ずかしがることありませんよ、洗濯機に入れるだけですから」
どうにも収まりがつかなくて、渋々、ブラとパンツを籠に入れて差し出した。
「使い方は分かりますよね。
シャンプーは女性用のサンプルがあったので置いておきました。あとは好きに使ってください。
それと……
服が乾くまで、このバスローブで我慢してくださいね」
彼の言葉はいちいち、親切で優しげだ。
――けど、あたし、どうなっちゃうんだろ……
逃げも隠れも出来ない状態で、あたしは熱いシャワーを一気に頭から浴びせかけた。