合縁奇縁~それでも愛は勝つ
保育園から帰った雄太は、目も当てられない程に荒れていた。
泣きじゃくる雄輝をあたしに押し付けると、そのまま部屋に篭ってしまった。
雄輝も泣きじゃくったまま、寝てしまったし。
ドア越しに話しかけても、一向に返事のない雄太に痺れをきらし、あたしはこっそり外へ出て保育園に電話をかけた。
「はい、南保育園です」
「あの……
ひまわり組の天野雄輝の母ですが……
園長先生はいらっしゃいますか?」
「あら、天野さん?
桜木です。
どお、リフレッシュ休暇は?
少しは気分転換できたかしら?」
「それが……
今日のお迎えを息子の雄太に頼んだのですが、帰ってからどうも様子がおかしくて……
園長先生、何か努先生から聞いてらっしゃいませんか?」
「ええ、まだ何も。
そろそろお迎えの時間だから、努先生は園児室だと思うわ。
後で事情を聞いてお知らせしますね」
「はい……、そうして頂けると助かります。
はい、ありがとうございました」
あたしは最悪の事態を想定し、一人ため息をついた。