合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「母さんがプロポーズを断ったのはお前のせいだ、って雄太くんに言われました。
坂本さん? ですか?
彼と結婚するのがあなたの幸せだと。
それを邪魔する僕が許せないって。
そりゃもう凄い剣幕で、雄輝ちゃんも驚いて泣き出してしまって……」
「す、すいません!」
あたしは立ち上がるなり、大きく頭を下げて謝った。
恥ずかしくて顔が上げられない。
雄太を煽って、魔球を繰り出した、あたしの中の女を見透かされた気がしたのだ。
「僕は、謝って欲しくてここに来たんじゃありませんよ。
雄太くんが僕に向けた怒りは、それってあなたが僕のことを……」
――嗚呼、もう、開き直るしかないか!
あたしは腹を括って、玉砕を覚悟した。
自分で蒔いた種は、自分で刈り取るしかない。