合縁奇縁~それでも愛は勝つ
あたしは、真っ直ぐに彼を見た。
「そうです。
あたし、貴方が好きです!
でも、雄太のは逆恨みっていうか、彼は坂本さんを好いていたので……
でも、それは理由になりませんよね。
あたしの我が侭で雄太に辛い思いをさせて、そんな失礼なこと言わせたのはあたしなんです。
雄太には、後でゆっくり話して聞かせます。
あたしが貴方を好きなのは、あたしの勝手なので、気にしないで下さい」
――でも、この好き、の気持ちは止められないですが……
あたしの挑戦のような勢いに、彼は一瞬身を硬くしたかに見えたが、直ぐに、その顔は綻んだ。
「気にしないわけにはいかないな……
だって、僕も。
天野さん、そんなに睨まないでくださいよ……」
あたしは力が入るあまり、彼を睨みつけていたらしい。