合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「勿論です。
男女共同参画社会実現は、わたしの理想とするところです。
是非参加させてください!」
難しいことはよく分からなかったけど。
男と女が共に働き共に生きる、それがあたしの理想の形であることに間違いはなかった。
「ということで、天野さん採用です」
「は?」
木村さんが目の前のファイルを手に立ち上がった。
「この後、人事課長の山岡から入社手続きの説明があります。
と、森山、会の勧誘は入社後にしろ、今日は駄目だ」
木村さんに睨まれた彼は、森山という名らしい。
「あの……、本当に採用ですか?」
って、そんなことより、それがあたしの本音だった。
「筆記試験はダントツの一番でした。
人となりは、僕の推薦付きですし。
他、四人も異論はないようですし」
何故か、皆さん小さく頷いて笑っていた。