合縁奇縁~それでも愛は勝つ
それは草原で草を食む馬の親子の写真の絵葉書。
『元気にしてるか?』
いつものようなそっけない文面。
でも、確かに太一の温もりがあった。
差し出された葉書の日付を確認すると、山村さんは、
「丁度この一週間後でした。村井が銃撃を受けたのは。
その時の傷はたいしたことなかった。掠り傷だったんです。
でも、衛生状態の良くない野戦病院での手当が良くなかった。
数日後に彼は高熱にうなされて倒れました。
町の病院に急遽搬送しましたが、既に手遅れで。
三日後、意識が戻ることなく亡くなりました」
「嘘……信じません!
だって……あなたは遺灰も何も、手ぶらで……
そんな話だけで、私にどうして信じろって……」
あたしは声を荒げることしかできなかった。