合縁奇縁~それでも愛は勝つ
そんなやり取りがあったからか、会社の終業時刻間近になると、毎日のように気が急いて家に何度も電話をいれた。
「雄太、夕飯なにがいい?」
これが毎日の切り出しの文句。
どんなに忙しくても、夕食は手作り主義。
普段母親らしいことしてあげられないから、せめて夕食くらいは愛情込めて作ってあげたい。
でも、なかなかそんな親心は子供には伝わらない。
「ねぇ、母さん、プレステのソフト、取ってきてもいい?」
「駄目よ、駄目に決まってるでしょ。
どうしても欲しいなら、新しいのを買ってあげる。
お願いだから外へ出ないで」
雄太の一言に、あたしの心臓は止まりそうだった。
つい声を荒げてしまう。