合縁奇縁~それでも愛は勝つ
土曜は雄太も家にいる。
まぁ、友達と約束して、居ない日もあるけど。
雄太も次第に課長に懐いてきて、たまに気をきかせて家を開けることさえあった。
「今日、藤沢さん来るんでしょ。
俺、友達と約束あるから出かけるわ。
夕飯食べてくんでしょ?
早めに帰ってくるからさ、待っててよ」
また少し背の伸びた雄太が、少し大人びた口調であたしを笑いながら見る。
「何、気、きかせてんの? 雄太のくせに」
「だって母さん、なんだか嬉しそうだからさ。
なんか、三年寝たろうが帰ってきた時みたいだ」
なんだか、チクリと胸が痛んだ。
「わかったようなこと言わないの」
あたしは何だか、言い知れぬ不安に襲われる。
不安的中とはこのことだね。