合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「美樹さん、あなたにそっくりですね」
「えっ?」
「たしかに、この子はあなたの子だ」
「なに言ってるんですか、当たり前でしょ」
「いや……ただ僕は確信が欲しかったんです。
この子があなたの子として、あなたがこの子の一人親として、確かな絆を結べるかどうか」
「坂本さん?」
「幸い僕は独り身です。
ご存知かもしれないが、僕の仕事は村井君に負けず劣らず危険なものなんです。
だから……これから先も、僕は家族をもつつもりはない。
だから……」
「だから?」
「君たち親子を守る役くらい、できたらいいなって」
いつもは真面目で硬い表情の坂本さんが、少し表情を崩して笑った。