合縁奇縁~それでも愛は勝つ


なんとなく耳にした彼の仕事。

人権派弁護士?

犯罪を犯した人の弁護から始まって、暴力団関係者の弁護までを引き受ける。

売名行為だって、噂さえ耳にした。

ここにいる坂本弁護士本人からは、ちょっと想像できないけど。



「僕の父は、暴力団だったんです。

僕が物心つかない頃に、幹部の罪を被って投獄されて、身体の弱かった父はそのまま外に出ることなく亡くなりました。

僕はそんな暴力団が憎かった。

と同時に父に無実の罪を被せた司法が許せなかった。

どんな悪人でも、どんな弱者でも、正しい裁きを受ける権利がある。

だから僕は、そんな彼らの弁護をこれからも続けます。

大丈夫です。君たちに危害は及びません。

僕は一弁護士として、君たちを守る。

これは、村井太一からの依頼ですから」
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