合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「あ、おはようござます。子供達、もう起きましたか?」
「子供達はまだぐっすり眠ってますよ。
それどころじゃないわよ、あなた、コンビニに強盗が入ったそうじゃないの!」
「はぁ、でも、とくに何も無く、犯人も捕まって……」
「何も無いって……あなた、自分の立場をわかってませんね。
あなたには、あなたの帰りを待ってる可愛い子供が二人もいるのよ。
犯人を捕まえるなんて物騒なこと、考えるのは間違いですよ。
わたしはその話を聞いて、生きた心地がしませんでしたよ」
「そんなことまでもう広まってるんですか?」
「何言ってるの、夜中にあんな勢いでパトカーがサイレン鳴らして集まってきたら、そりゃもう、この辺のご近所中に知れ渡ってますよ!」
参ったな。
やっぱりもうあのコンビニでバイトを続けるのは無理かもしれない。
あたしは、そのことだけを考え気落ちした。