合縁奇縁~それでも愛は勝つ
正社員になれた事と偶然が重なって、雄輝は公立の保育園に入園できることになった。
どうやらこの中途半場な次期に運良く欠員が出たらしいのだ。
知らせが来たのは、変更申請から数日たったある日のこと。
「美樹さん、何て言ったらいいか……
あなたはもしかしたら強運の持ち主かもしれませんね」
月に一度の訪問を欠かさない坂本弁護士は、雄輝の入園許可証をマジマジと眺めながらそんなことを呟いた。
「強盗撃退で警備会社にスカウトされて、難関の公立保育園入園まで果たすなんて。
僕の出る幕ないなぁ」
坂本弁護士とは、最近はすっかり打ち解けて、月に一度の訪問日、夕食を囲みながら色々相談事とかも持ちかけたりして、いい関係を保っていた。