合縁奇縁~それでも愛は勝つ



雄輝が入園したのは、家から自転車で十分程のところにある南保育園。



書類に記載されていた必要な荷物をカバンに詰め、雄輝をおぶるとあたしは自転車を走らせた。

今まで預けていた無認可の保育室と何処が違うって、ここはゼロ歳から五歳児までを預かる大きな保育園なのだ。

広い敷地に大きな園舎、広い園庭もあり、朝から子供達が元気に遊んでいた。


初出社予定日は来週明け。


それに向け、今週は慣らし保育とやらで、雄輝は午前中保育から徐々に一日保育へと保育時間を延長してゆくと説明をうけていた。

今までは、基本的には昼間はあたしが雄輝の面倒をみていたから。

週に何回かは、昼間のシフトが入って保育室に預けることはあったけど、夜はお隣りの佐藤さんにお願いしていたし。

なので、あたしにとっても雄輝を一日他人に預けるのは初めての経験で、雄輝にとっても一日の大半を知らない他人の中で過ごすなんて、今まで経験したことのない体験なのだ。

でも正社員でフルタイム勤務となれば致し方ない。

というか、ここに入れなかったら、折角の正社員のオファーも辞退しなくてはならなかったということだ。
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