合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「じゃ、保育室に案内しましょうね。
雄輝ちゃんは1歳児保育のすみれ組になります。
子どもは10名で、担任は二人。
山本千鶴子先生と佐藤美千代先生。どちらもベテランです。
あと、補助職員として坂雅先生が早朝や延長保育に入っています」
「はい」
あたしは頷きながらも戸惑っていた。
「追々覚えていけばいいのよ、毎日お世話になるんだから」
あたしの不安を察知したのか、園長先生が優しく声を掛けてくれた。
と、園長先生が廊下の突き当たり一歩手前で立ち止まる。
そこは大きな部屋半分に畳を敷き詰めた園児室だった。
「千鶴子先生、天野さんです」
呼ばれた出てきたのは、園長先生よりも少し若い中年の女性。
やはりすっぴんでジャージ姿。
「はじめまして、天野です。宜しくお願いします」
大きく頭を下げた。