合縁奇縁~それでも愛は勝つ
雄輝の保育園生活は、はっきり言ってあたしの想像を遥かに超えていた。
最初の何日かは、朝少しぐずって、別れを嫌がっていた雄輝。
数日も経つと、バイバイ、と笑ってあたしを遠ざけた。
たかだか一歳半の自立?
雄輝は身体が小さいせいか、一歳を過ぎた頃にはもう一人歩きができるようになっていたから、どうやら二歳児クラスの行事に混ぜてもらっているらしいのだ。
泥んこ遊びや、色水遊び、ボディペインティングなんて大胆なことまで。
非日常が日常となって、雄輝の五感を刺激しているらしい。
あたしはというと、毎日の連絡ノートに追われ、洗濯物に追われ、送り迎えに追われ、毎日があっと言う間に過ぎていった。
雄輝が保育園で習った歌を口ずさむ。
お友達の名をきごちなく口にする。
擦り傷をつくる。
そして時々熱を出す。
集団生活に慣れるとは、こういうことを言うのだと実感する。
雄輝は日に日に逞しくなっていった。