合縁奇縁~それでも愛は勝つ




春、雄輝が二歳児クラスへと上がった。




廻りの子ども達も殆どが歩き出し、言葉の数も増えていった。

自我が芽生え、喧嘩も起こる。

歳の離れた兄のいる雄輝は、少しわがまま分子が多い。

何でも自分の思い通りになると思っているふしがある。


雄輝に気をとられている内に、雄太は中学生になり、ますます太一に似てきた。

もう男の貫禄だ。

そんなある日のこと、仕事の都合でどうにもこうにも七時のお迎えに間に合わなくなった。

その日担当していた警備で、ちょっとした事件があってその対応で手間取ってしまったのだ。

主任としての立場上、先に帰る訳にもいかず、あたしは思案の末雄太に電話をかけた。

「ごめん、三十分程遅れちゃいそうだから、雄輝を保育園に迎えに行ってもらえるかな?」

「いいよ」

何度か一緒にお迎えに行ったこともあり、雄太は何の躊躇もなくお迎えに向かったんだ。
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