合縁奇縁~それでも愛は勝つ
「天野雄輝の母です!」
雄太と対峙しているのは、多分この保育園の唯一の男性保育士。
名前は確か……つとむ先生?
園庭で子ども達と遊ぶ姿を見たことはある。けど、年長組の担任なので、面識がなかった。
「天野さん、お迎え七時を回るのは仕方ないこともあるでしょう!
でも、電話の一本くらい入れられるでしょう、こんな子どもを代わりによこすなんて」
厳しい口調に身が縮こまった。
「す、すいません!」
あたしは、ひたすら頭を下げた。
「なんで謝るんだよ、俺がちゃんと迎えに来たのに」
「いいから、雄太も、ほら……」
と、無理矢理雄太の頭を下げさせた。