婚約者
じわじわと…
華はパパのそばに駆け寄り訴えた。
華《何で何も課長のことを教えて下さらなかったのですか?》
パパ《家柄でお前の将来を決めてほんとに良いのか迷っていたからだ。しかし、お前には彼氏も居ないみたいだから、話さず直接相手から聞いた方がよかろうと思ってな。》
華(なんなん。どっちにしろこんな人とは嫌やし。でも、お金持ちの人と結婚すれば本家は倒産しない。ここでわがままを言って本家ごと路頭に迷うことになると取り返しが付かなくなる。やはり自分を優先するべきではないのだ。)
パパ《華、どうしたのだ? 課長と話をしてきたらよいではないか?》
課長《そうですね。お互いまだ、会ったばかりですからね。 ではあちらの部屋にでも行きましょうか。華様。》
華《そうですね。お父様のお言葉に甘えて、あちらの部屋でお話でもしましょうかね。課長さま。》