in the dark†短編†
――そして

事故に遭う、一週間前。

私はサチが柏木先輩に振られている現場に、偶然居合わせた。

先輩が立ち去り、涙を流していたサチは、私に気付いて険しく顔を歪めた。

「ミツキが言ったの?」

冷たい声が震える。

「リカに言ったの、あんたなんでしょ!?」

「…サチ」

伸ばした手を、振り払われる。

ぎらぎらと怒りをたぎらせた目で私を睨み、たたき付けるようにサチは叫んだ。

「ミツキなんて大嫌い! 一生憎んでやるから!!」

立ち去るサチの後ろ姿に手をのばしたまま、私はどうすることも出来なかった。
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