in the dark†短編†
茫然自失の私の唇を割って、シュウの舌が侵入してくる。

「ち、ちょっ」

一気に意識が覚醒した。

「ちょっとなにやってんのよーっ!!」

バシンっと高い音と共に、私の平手がシュウの頬にヒットした。

「…ってーおい、何おもいっきり叩いてんだよっ」

頬を拭い口を歪めて、シュウが私を睨む。

「し、シュウが悪いんじゃない! いきなりキスして! し、舌まで入れるなんて!」

涙目で抗議すると、シュウは頭をかいて、目を逸らした。

「あーちょいタマってたから、つい」

「ついってなによ!
信じられないっ」

「うるせーな。キスくらいでギャーギャー言うなよ
減るもんじゃあるまいし」

「減るわよっ初めてなんだからっ」

「げ。その歳でファーストキスかよ? 有り得ねえ」
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