in the dark†短編†
はいはいと、適当に受け流して、シュウは私に手を差し出した。

「ほら、いくぞ」

「い、行くってどこに?」

恐る恐る尋ねる。

彼は、綺麗な顔を傾けて近付き、

「お前の身体」

ふっと、私の耳に息を吹きかけた。

「きゃっ!?」

ぞくっとして飛び上がる。

ニヤニヤ笑うシュウの前で、私は真っ赤になった。

「戻してやるよ」

「え?」

「だからお前の身体に。思い残したことがあるんだろう?」
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