in the dark†短編†
「…ねえ」

思い切って、前を歩く三人に声をかけた。

「もうやめない?」

訝しげな顔が振り返る。

三人に見られた途端、身体が熱くなって、心臓が激しく鼓動した。

怖い。

でも

言わなくちゃ。

「もう、サチのこと無視するの辞めよう? サチ可哀相だよ」

「何?急に」

リカが眉を曇らせる。

私は負けそうな自分を叱咤して、必死に声を出した。

「もう充分でしょ? サチ先輩とだって別れたんだよ! もう辞めよう?」

「へえ、別れたの? いい気味っ。人から横取りなんてするから、そんなことになるのよ」

「サチだってずっと先輩が好きだったんだよ? リカが宣言したから言えなくなっちゃっただけで……リカよりずっと前から好きだったんだからっ」
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