in the dark†短編†
智子の声に、私達は振り返った。

歩道の先にサチがいた。

電飾の灯り始めた木の下で、交通量の多い大通りをじっと睨んでいる。

「サチ?」

嫌な予感がして、私は走り出した。

サチの目は、明らかに車のライトを追っている。

足が

ゆっくり歩道へ降りた。

吸い込まれるように

彼女は車の前に飛び出そうとした。

「サチ! ダメぇ!!」

サチの腕を掴み、引き戻す。

「離してっ」

サチが暴れ、

「きゃあっ」

私は反動で、道路に身を投げ出された。

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