in the dark†短編†
「そんなアバウト過ぎない? 飛び込んで自分の身体どうやって探すの?」

「平気、平気。足に鎖ついてるだろ? 自然に引き寄せられる」

言われて初めて、私は自分の足首に、鎖がついていることに気付いた。

「生きてる人間にはついてるんだ。魂と身体を繋ぐ鎖さ。意識すると見える」

シュウは目を細めて私の鎖を見つめ、顔をあげた。

「さて、ここでお別れだ」

「……お別れって?」

「言ったろ。お前は生きてる。だから帰れる。元いた世界に帰れ」

「え?うそ?私、ちゃんと生き返れるの?」

「何お前、そんなに死にたいの?」

意地悪に言って、シュウは私の頭を撫でた。
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