in the dark†短編†
不意に

とんっと、強く肩を押された。

身体が傾ぎ、光へと吸い込まれる。

最後に見えたのは、シュウの笑顔

が、ん、ば、れ

ゆっくり形を作る、唇の動き。


ねぇ、シュウ。

私。

あなたが

好きみたい。

どうしてかな?

会ったばかりなのに。

スケベだし、意地悪だし、

全くタイプじゃないのに

でも

あなたに助けられたから

あなたに励まされたから

私は勇気をもてた。

――もう、私

向き合うことから逃げたりしない。

伝えたい言葉を、飲み込んだりしない。



二度と後悔しないように。


自分らしく、精一杯生きるんだ。
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