in the dark†短編†
「私、売店行ってくるね」

ベッド脇の松葉杖を取り、わざと明るく宣言する。

二人は同時に私を見た。

「「大丈夫なの?」」

声を揃える二人に、私は笑って頷いた。

「大丈夫。今日から動いていいってお医者様に言われてるの。二人とも帰ってくるまで待ってて」

きっと二人っきりの方が、仲直りしやすいだろう。

病室を出ると、私は大きく深呼吸した。



シュウ。

あなたが言う通りだね。


後悔するなら、


言いたいこと口に出してみたほうがいいんだ。


どうなるかなんて、


言ってみなきゃわからない。
< 53 / 60 >

この作品をシェア

pagetop