in the dark†短編†
ベッドには半分カーテンが引かれ、機械音が静かな部屋に響いていた。

慎重に回り込み、ベッドサイドに立つ。

「シュウ」

痛々しく、たくさんの管に繋がれ、痩せて青白い顔をしていたけれど、間違いなくシュウだった。

そっと手を伸ばす。

やつれた頬を撫で、私は呟いた。

「また、会えたね」

何となくだけど

会える気がしていた。

あの時

シュウの足には、確かに鎖があったから。
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