in the dark†短編†
彼は目を丸くして、キョトンと私を見つめ、やがて顔を伏せると肩を揺らして笑い出した。

「あはは。なんで真っ先に地獄セレクトだよ!
自虐的だな、お前」

ケタケタ笑う彼は、第一印象より幼く見えた。

近寄りがたい冷たさが消えて、なんだか…ちょっぴりかわいい感じ。

実は思ったより若いのかな?

私より少し上で、18歳くらい?

「そんなに笑わなくてもいいじゃない。
だって貴方の洋服、黒一色だし。
悪魔みたいな雰囲気なんだもん」

口を尖らせると、彼は笑いを納めて私を見た。

「ガキの時、教わらなかったか?
人を見た目で判断してはいけません」

こつんと軽く頭を小突く。

私は赤くなって、頭を押さえた。

「……ねぇ、じゃあ私、天国にいくの?」

「さてね」

彼は悪戯っぽく笑って、私の腕を引いた。

「着いてのお楽しみ」
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