その道のむこうに



寝室らしき部屋を出ると、おいしそうなにおいが漂っていた。
おいしそう。
料理出来るなんてかっこいい。




「口に合うかわからないけど食べて」



テーブルには、うどんにご飯が入っていて、雑炊風になっている。
それだけなんだけど、身体のことを気遣かってくれてることがわかる。



「いただきます」



「どうぞ。熱いから気をつけて」



蓮華を使ってうどんとご飯を掬うと湯気がもくもくあがる。
息を少し吹いて、それからゆっくり口に入れる。
少し薄味で身体が暖かくなる。



「おいしいです」








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