その道のむこうに
朝、目が覚めた瞬間に気付いたこの感覚。
また、来たか…風邪め。
深くため息をついて、ベットからのろのろ起きて、携帯を手にする。
しばらくのコールの後に電話に出た。
「はい、ストロベリーですぅ〜」
相変わらずの口調に笑いを堪えながら、私は口を開いた。
「あ、オーナーですか?私、静枝です」
もちろん、相手がオーナーであることは明確だったけどね。
「ええ、そうよ〜。おはよ、静枝ちゃん。あらら、声が鼻声ねぇ?」