その道のむこうに



「わかります?風邪みたいです…」



「無理せずに、寝てなさいねぇ。誰か行かせようか?」



「いいえ、平気ですから。いつもありがとうございます。それでは、明後日は行けるようにします」



「いいのよ、ゆっくり休んで。お大事に」



電話を早めに切り上げて、携帯を握ったままにベットに倒れ込んだ。
ああ、辛い。


今電話したのが、ストロベリーのオーナーの古屋健さん。
れっきとした男性で35歳。
見た目ヤクザ風の風貌なんだけど、口調が女っぽい。
私の親戚で、ずっとお世話になっている。
両親は私が10歳で交通事故に遭い、他界。
それからずっと世話をしてもらっている。










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