君と見た夏空
確かに、あたしと翔は小学校…いや、幼稚園来の幼なじみだ。


でも、絶対に恋仲じゃない。


レイジの言うような甘い関係じゃないし、あたしは翔のこと、なんとも思ってない。


もちろん翔だってそうだ。 


あたし達は、れっきとした友達なのだ。


「男女の間に、友情なんてねぇーの。絶対にどっちかが恋愛感情持ってんだから」


あたしの思考を読んだエスパーレイジは、ニヤッと笑う。


「お前に気がないなら、あるのはあっち」


そして、顎で翔を指した。


翔が、あたしを好き…?


「絶対にない。自分が優花に恋愛対象にされないからって、僻まないでよ」


「んなっ!?」


あたしはふんっと顔を背け、窓の外の桜並木を見つめた。

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