雨の雫
~淳



あれから俺はみぃなを
おいかけた。。


携帯で何かをきいている。。



きこえるのはみぃなの
つけている鈴の音。


それしか俺にはきこえなかった。



……―。魂が抜けた人間に
みぃなはなってしまったようで

今にもその場に
倒れてしまいそうで……―。


俺はとっさにみぃなを
抱き抱えた。。



『……―淳──さん?』


か細い声がきこえて
柔らかな唇が動いた。。



キス、したい。





……―今、そんなコト、
してはいけないのに。。


してしまいそうになる

俺がいた。


『……―淳さ…ん。。
 私、私、……―。』



泣いてる。

───よほど嫌なことでも
あったのだろうか……―。


『私、帰る家がなくなっちゃった
 ──なくなっちゃったよぉ…』


彼女の目から涙が溢れて

コボ
零れてってる……―。


俺は正面にして

彼女の涙を手ですくった。。


『泣かないで……―。俺も
 悲しくなるから。』

彼女は驚いた顔をしている。


『君が修を好きなように
 俺もみぃなを
 好きになったから。
 だから、泣かないで。』

『わかった。
 けど淳さんの気持ち、
 私、答えっられない……―
 かもしれない。。』

ソレでもいい。

ソレでもよくって君に
告白したんだ。


気迷ったように君に一目惚れして
君に恋をして君に告白して……―


振られたらよかったんだ。。

けど君は

『ありがとう、気持ち、
 とって……おきますっ。』

そうやってあやふやな返事を
するから……―。


諦められない。。




俺は軽く



みぃなの唇に





くちづけした。。



それは
みぃなの涙の味がして

しょっぱくて……―。



──切なかった。。



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