雨の雫



─雑貨屋─


そこに建ち並んでいるだけで
風格、というか全てを
際立てている。。


【れとろ】

それが一番、ピッタリなのかも
しれない。


──しかもカタカナで書かない
ふわっとした


ひらがなの【れとろ】が。。



そんなお店の扉を放つと

チリンッという
いい音を鈴が奏で



奥にある古い大時計が
何時かわからないけれど
音をならし、、




その中で
妖精達が綺麗に舞っている。


どれも【花】をイメージして
あって……。

凄く繊細なガラス細工だった。


全ての花の脈まで
細かく再現されており、

魂を流し込んだら
とても美しい生き物だな、


と私は思った。


『おじさんは??』

『2階でまた、がらくたいじって
 るんだろ??』

『多分、そうだな。
 ──一応、営業中だったし。』


……とってもいい加減
というコトがわかったと同時に




──なんとなく私の頭の中では
とても可愛いいおじさんじゃ
ないか、そんな風に
描かれていた。


『おぉ。きよったか。
 修に淳に流季に……
 ──美奈さん。』


思った通りのおじさんが
奥の扉から顔を出す、そして

その顔をみた途端、


私の胸に痛みが走った。。




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