放課後ほけんしつ
車を降りると、照り返す暑さと、熱波でうだる暑さ。
海に入らずには、いられなかった。

みんな、上着を脱ぎ捨て、走り、じゃぶじゃぶと入って行った。

ママは、みんなの上着をたたみながら、微笑んだ。

その時、急に耳鳴りがして、目眩が起き、起きていられない。

目の前が真っ白、頭の中は、大きな円を描くようにぐるぐる回っている。

崩れるように倒れてしまった。そして、二度と起き上がれる状況では、なかった。

声さえ出せない。

「お願い誰か気づいて」

心で叫ぶだけだった。
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