放課後ほけんしつ

「そうなんだ。あたしの両親もそうだったんだよね。あたしがいるってことは。」とみずき。
「そうよ。あなたがホントに愛してる相手とセックスしたいと思うように、両親もそうだったからあなたが今、ここに生きてる。あなたの中に愛が生きてるじゃない。でも、時が経って、お互いの心や状況が変わって、歯車が噛み合わなくぎくしゃくしてきたんじゃないかな。因果って言葉知ってる？原因がなければ、結果はないの。必ず、物事には、因果がある。だから、お母さんの行動にもそうなる原因があったの。もちろんお父さんにもね。お互い自分のことでいっぱいだったんじゃないかな？どちらかにゆとりがあれば、相手の状況を受け止め、思いやることができるけど、それができなかったから、張り詰めた糸がプツンと切れちゃったのね。人は、一人だけで生きていけないの。一人ぼっちだと思ったとき、みんな絶望する。お母さんも絶望したのかもね。そんな時に、支える相手がべつな人だっただけの話なの。ホントは、パパの支えがほしかったのよ。きっと我慢の限界だったのよ」とママの熱弁。