ヴァンパイアと秘め事を
*無意味な事 side.A*
あれから数日がたった。
美夜という少女は毎日僕の所に来るようになった。
「ねぇ、アレンは毎日何をしてるの?」
「何もしてないよ」
「退屈とは思わないわけ?」
…退屈?
「…考えたこともなかった」
“退屈”なんて言葉を聞いたのは何百年ぶりだろうか。
前に聞いたのは……
千紗の口から、だったかな。
「じゃあ、楽しいって思うことはないの?」
退屈がなければ、楽しいもないということになる。
言葉にはしなかったけど。