ヴァンパイアと秘め事を
「流星群だよ」
「綺麗…」
「美夜に気に入ってもらえたなら、嬉しいな」
「…アレンは、こんなに綺麗なものを毎年見てるのね」
「……毎年なんて、見ないよ。そうだな…数百年ぶりくらいかな」
あたしは何気なく、言葉を発しただけなのに。
今日2回目の後悔をした。
この時のアレンを、あたしは見なければよかった。
笑ってるのに寂しそうだよ?
胸がズキン、と痛むような感覚。
ねぇ、あたしはこんなに近くにいるのに。
「…誰なの?」
――どんな人なの?
アレンの心の奥深くに残る、その人は。
聞こえないような小さな声で言った。
アレンには聞こえないように。