ヴァンパイアと秘め事を


「千紗は…僕の愛した女(ヒト)なんだ」




ドクン――


その言葉を聞いて、落ち着いたはずのあたしの鼓動が早くなるのがわかった。


…アレンにも、色々な過去はあるもんね。



千紗さんは…きっと、人間。

どれだけ思っていても、寿命には勝てないから。




「その人は…アレンをおいて先に亡くなったんだ…」

「……違うよ」




一人言のように呟いた言葉をアレンは否定した。


えー…?




「僕が殺したんだ」


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