ヴァンパイアと秘め事を
『確実に近づいています。もう一度発作が起きたら…覚悟はしておいて下さい』
お医者様が、両親に話しているのが聞こえた。
今さら何を驚くというの?
ただ、今まで必死に死期を延ばしていただけなのに。
それはもう、ただの悪あがきでしかない。
「っ…」
辛い。
いっそのこと、死ねたらいい。
楽に、安らかに眠るように。
そんなふうに思う。
でも、願わくは。
…貴方の腕の中で。
「アレン…」
愛しい名前を呼んで、あたしは眠りについた。