ヴァンパイアと秘め事を
「美夜…愛した女(ヒト)の血はすごく綺麗だって僕は思うよ…」
アレンが言った。
その言葉で、あたしは愛されてるのだと実感する。
「…もっとギュッとして。…離さないで、アレン」
「…大丈夫。“離さない”よ」
願わくは、貴方の腕の中で。
痛みじゃなく。
“貴方”を感じたい、と思う。
想いが通じあったのはわかったから、最後のお願いをするね。
…どうかあたしと、同じ言葉をささやいて。
「「―――愛してる」」
アレンとのキスは血の味がした。
扉は閉じたー…