ヴァンパイアと秘め事を
ぼんやりと窓の方をみながら考える。
僕だって、生まれた時からヴァンパイアだったわけじゃない。
何百年も前の話。
初めは、
「…人間だったんだ」
「――まだ忘れていなかったのか」
「っ…誰だ!」
声のする方を向くと、一人の男が肖像画の前に立っていた。
僕とは違う、赤い瞳。
薄暗い部屋の中、それははっきりと光って見えた。
「お前は、」
忘れもしないその顔…僕をヴァンパイアにした張本人。
――エドだった。