ヴァンパイアと秘め事を
「…エドにはそれなりに感謝してるよ。君がいなかったら僕は千紗と美夜に会えなかったからね」
「お前…まさか、」
「そのまさか、だよ。この気持ちが消えてしまうよりも、この方がよっぽどマシだ」
後悔はしてるけど、「ごめん」とは言わない。
会えて本当によかったと思ってるから。
答えが出たんだ。
僕が、僕のまま──2人を想ったまま、いられる方を、選ぶ。
右手に力を入れた。
「アレン!」
エドが呼ぶ声が部屋に響く。
これがきっとベストの選択。
もう迷いはない。
何百年ぶりに見た、最後の太陽は一瞬、僕を大きく包んでくれた。
END