ヴァンパイアと秘め事を
「僕はね、ヴァンパイアなんだ」
「ヴァ、ヴァンパイア…?」
「ここでは吸血鬼と言った方がいいのかな」
その時見えた。
目が銀色に光ってる…
気づいた瞬間、背中にゾクリと悪寒が走った。
「ひ、人の血を吸うの?」
「そうだね。血は僕にとって、最高のご馳走だよ」
「…あ、あたしの血も?」
怖い。
早く逃げればいいのに。
"死"というモノに、あたしは今一番近いような気がしたから…
だから、動けなかった。
すると、そのヴァンパイアは
「…本当に欲しい血しか、いらないんだ」
笑顔だけど…静かな声で言った。