あなたの隣は 私の居場所



すぐ逃げんだったら、最初からやめとけよな。




チンピラっぽい奴らが走って逃げる姿を、ぼんやり見てたら




『ありがと!…ほんと、ありがと〜』


そう言いながら、必死に頭を下げてきた。


「あぁ、別にいいから」



適当に答えて、帰ろうとしたら引き止められた。



『あの…! もしかして、五十嵐慎司くんだよね?』


「そうだけど?」


こいつも、俺のこと知ってんのか?



『やっぱり〜!…俺、同じクラスの高橋 亮太(タカハシ リョウタ)っていうんだけど…。って、やっぱ分かんないか…』


同じクラスとか言われても

今日、行ったばっかだから分かんねぇし。


「あぁ…残念ながら」


もともと、人の顔とか

いちいち覚えねぇ性格だから、知ってる訳ない。





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